着物リフォーム~古い着物の活用術「染め直し・寸法直し・仕立替え」でタンスの肥やしだった着物を再生した実例集

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着物リフォーム~古い着物の活用術「染め直し・寸法直し・仕立替え」でタンスの肥やしだった着物を再生した実例集

ずっとタンスに入れたままの訪問着。お母さんからお下がりの小紋。おばあさんの紬や羽織など。小さいサイズの着物、色あせた着物、シミの付いた着物、でも捨てられない…タンスの肥やしになっている着物はありませんか?染め直し、寸法直し、仕立て替えとは、古くから行われてきた、着れなくなった着物の再生術。ものを大切にしてきた時代を思い出させますね。着物としてこの先長く着られるアイディアをわたしの体験をもとにご紹介。

着物リフォーム「染め直し」~染め直して色を変更

09-30-01染め替え+着物のグーグル画像結果より

実例1 夏大島紬の染め直し

お下がりの夏の大島紬です。しみ抜きにだしても抜けきらなかったので、地色変更することに。濃いブルーは見事にシミを隠してくれました。同時に丈や幅も大きくして、自分サイズに。とても着やすくなりました。

09-30-30左は染め直し前のベージュ

09-30-20染め上がった反物

実例2 祖母の羽織の染め直し

祖母の短い丈の羽織。「こんなにししゅうの入っているものは貴重。処分するのはもったいない!」というアドバイスのもと、地色変更することに。家紋をはずして長めの羽織へ仕立て替えているところ。もとは礼装用として着ていたらしい羽織。真っ白の地色はすごく派手。グレーにすることでコントラスが低くなり、以前より落ち着きいた印象になりました。おしゃれ着として、レトロな着こなしで重宝しそう。

09-30-17染め上がった反物

実例3 単衣の訪問着の染め直し

母の若い頃の単衣の訪問着。地色のクリーム色があせて、いかにもお下がりの古い着物という雰囲気。でも、今ではめずらしい本ローケツ染なので、何とか復活させたいと相談。柄を引き立てながら薄く茶をかけました。生地が弱くなっているので、裏地をつけて仕立ててもらいました。

09-30-16染め上がった反物

着物リフォーム「仕立替」~別のものへ作り変える

直線立ちの着物は、お直しの可能性も広がります。祖母がたくさん持っている家紋の入った短い丈の羽織は、他のものに作り変えているところです。紋付絵羽織って、けっこう柄が素敵だったりするのですが、そのままじゃ着て行く場所はないという、一番頭を悩ませるアイテム。思い切ってはさみをいれることに。

実例4 祖母の羽織を名古屋帯へ

08-11-77

紋付絵羽織

09-30-22おそろいの九寸名古屋帯とトートバック

着物リフォーム「寸法直し」~小さい着物を自分サイズに

着物の丈、幅、この二つは、着崩れるので絶対に自分サイズにしています。手首がでているのも見た目に恰好悪いので、腕の長さに合わせて寸法直しをします。多くの着物は、余分を中に縫い込んでいるので、お直しができますが、そうでないものもありますので、和裁さんへ相談してみましょう。

実例5 祖母の小紋を自分寸法へ変更

何もかも小さい祖母の小紋。洗い張りをして、自分の寸法に縫い直してもらいました。昔の布は、独特の雰囲気があり素敵なのですが、小さくて着崩れていると台無しですよね…和裁師さんと相談しながら、なんとか希望通りの寸法へ出してもらいました。色ヤケしてなかったのが幸いです。でも、90年近く前の着物は布がだいぶ弱っていて、袖を通すのは年に数回。上等な着物じゃないけれど、大好きだった祖母の思い出の着物。

10-10-01洗い張りをして仕立て直した昭和初期の祖母の着物

実例6 母の紬の寸法直し

昔の着物って、どうして身丈が短いんでしょう?母はわたしより身長があるのに、どれも短くて。特にこの着物は普段で着ていたからか、約7センチも足りなかったので、ウエストの部分あたりで、継ぎ足してもらいました。昔の紬にありがちな、真っ赤な八掛をはずして、袷(あわせ)→単衣(ひとえ)への仕立て替えも同時に希望しました。絣模様が全く切れていないので、どこで継いでいるがすぐにはわかりませんでした。帯の下に隠れるというのに…この職人技。美しいです。10-12-02

↑継ぎ足しているのはこのあたり↑

着物リフォーム「裏地を取り換える」~裏を変えると着物の印象が変わります!

派手な色の裏地、擦り切れた裏地のすそ、経年変化によりシミが目立つ裏地などは、新品と交換しましょう。特にお下がりの着物についている真っ赤、ローズ、朱色の裏地。派手だなあと感じたら、表地の地色と同色か濃淡にするとコーディネートの幅が広がります。

実例7 紬の裏地を取り換える

裏地の裾が擦り切れたので、裏地を交換。以前は、マスタード色でしたが、気分を変えて鳥獣戯画の模様にしてみました。

10-11-09裏地を取り換えた紅花紬

着物クリーニングの知識「丸洗い」と「洗い張り」

リフォームではありませんが、知っておきたい着物クリーニングのこと。クリーニングには二つの方法があります。「丸洗い」と「洗い張り」です。

丸洗いとは、溶剤などできれいにする一般的なクリーニング方法。袖口や衿の皮脂汚れが気になると丸洗いに出します。洋服のドライクリーニングと似ています。油性の汚れはよくとれますが、汗などは完全にとれません。

その点、洗い張りは、着物をほどいて水と洗剤でしっかり汚れを取り除いていくので、よりきれいになります。前述のグリーンの祖母の小紋は、洗い張りをしましたが、職人さんに洗ってもらうと鮮やかな色を取戻し下染めの模様も浮き出てびっくりしました。

ただし、特別なしみ(ファンデーション、食べこぼし、泥はねなど)は丸洗いや洗い張りではとれません。別途、しみ抜きが必要です。しみ抜き箇所を指定して、見積をもらいましょう。

06-22-13

着物をほどいて洗い張りから戻ってきた状態

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洗い張りをして仕立て直した白山紬

汚れが目立ち洗い張りに出した無地の紬です。丸洗いではとれない汚れがスッキリきれいに。おどろいたのが、紬の風合いです。紬は水を通すたびに、柔らかくなるんですね。より肌になじみ心地良い風合いです。すその八掛が擦り切れていたのですが、和裁師さんが上手に縫い込んでくれて、まるで新品みたいになりました!

Print色を変えて、形を変えて、着物を蘇らせるさまざまなご提案。いかがでしたでしょうか。私自身が、まだ使える古いモノの良さを生かして活用することが好きです。住まいも、フルリノベーションしています。社会も使い捨ての考え方から、リユース、リサイクル、そして、シェアの時代。タンスに眠っている着物は、言い換えれば、処分できずにずっとたいせつにしてきたもの。アイディアとセンス、技術により、古い着物を世代を超えてシェアしませんか?リフォーム後は、絹という素材の優秀さに、きっと驚かれるでしょう。もう着物は着ないから別の形にリメイクしたいな。って方は、こちらも合わせてご覧ください。着物をほどいてリサイクル。もう着ない着物を活用した「着物リメイク」実例全15集
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