1Oct
着物でお出かけするのにふさわしいお正月。さて、お正月にぴったりの着物って、どんな着物?何に気を付ければいいのでしょうか?
目次
お正月の着物NO.1は、華やかな小紋
初詣などは礼装でなく、カジュアルな着物「小紋」や「紬」を着ますが、新年の華やかさにふさわしいのは、「小紋」です。
小紋は、カジュアル着物の種類ですが、洋服でいうと、キレイめカジュアル。大げさではないけれど、きちんとした服装といった位置づけです。全体に模様のある「小紋」は、華やかさがあり、お正月らしさを感じます。
小紋には、名古屋帯やおしゃれ袋帯を合わせます。
京小紋に真紅の帯締めでお正月らしさを
白地の小紋にシルバーの八寸帯
小花の小紋に、紅白の帯や小物を添えて。
更紗の小紋に、春らしい色合いの帯と小物
フォーマル江戸小紋でご挨拶まわり
江戸小紋は帯を変えれば、カジュアルにもフォーマルにも着られる小紋です。
だんなさまのご実家へご挨拶。または、年長者へのご挨拶まわりなど。フォーマルな装いにしたいけど、付け下げや訪問着ほど大げさにしたくない。という時に便利な着物。
霧と唐草の江戸小紋につづれの袋帯
着物を変えると印象がずいぶん違いますね
観劇や改まったお食事会などには訪問着
とにかくお家で着物派!には、ウールの着物
外出着にはなりませんが、昔は、お家ではこんな気軽な着物を着ていました。
お家で着物派にとって、あたたかく、手入れしやすい便利なアイテム。ウールというと、もこもこしてるのかな?って思われそうですが、そんなことはありません。
帯は浴衣の半幅帯にしました。浴衣の帯はしっかりしたものなら、カジュアルに一年中使えます。まずはこんなスタイルで気楽に「着物はじめ。」いかがでしょうか?
ウールの着物と半幅帯
着物コート・羽織・ウールのコート
着物の上に着るのは、着物用のコートです。衿の形はスクエアだったり、丸みがあったり、きものの衿と同じだったり多様ですが、衿の形による格の違いはありません。どんな着物の上にも合わせられるので、一枚あれば万能。
羽織は、カーディガンのようにはおって、前を紐でとめるタイプ。前が空いているので、コートに比べると寒さを感じます。室内でも脱がなくてもよいのが便利。
その他、小紋など、カジュアルな着物なら、洋服用のポンチョを着ている方も良く見かけます。ウールなのであたたかく、そのカジュアルさが、かわいい!
マフラー・ファー・手袋・足袋カバー・レッグウォーマーで暖かさアップ
コートや羽織では首まわりはカバーできませんので、マフラー、ショール、ファーは必須です。手袋も準備しておきましょう。手袋は長めものがあれば、暖かく、おすすめです。
足元の冷えには、和装ストッキング、レッグウォーマー、足袋カバーなど。足袋カバーは、足袋の上に汚れ防止としてかぶせるカバーなのですが、見た目に足袋ソックス風。重ね履きで防寒にもなります。
お正月らしい「お祝いの色、赤」
お正月らしさを感じるのは、やはり「色」です。赤、白、松の緑などは、清々しさを感じ、特に赤は効果的な色。
鮮やかな九寸名古屋帯
冠の組紐は、準礼装にもおしゃれ着にも
梅の帯締め
お正月にぴったりな髪飾り
鳥居の赤、水引の赤と、赤は神聖でおめでたい色。和装小物だけでなく、バックやストール、ヘアアクセを選ぶときにも、ぜひ、明るい色を取り入れてみたいですね。
お正月らしい「おめでたい模様」
明るい色とともに、意識したいのは、おめでたい柄。新年を祝い、周囲に華やぎを与えます。お正月に着るなら、こんな柄がおすすめ!
梅文様
宝尽くし
扇文
七宝
亀甲文様
老松文様
初詣で和服姿を見ると、「お正月らしいなあ~」って、ついつい見とれてしまいます。お天気が安定しているので、着物にお出かけするには絶好の時期とも言えます。お正月に着物を着てみると、自分もわくわく、そして、まわりの人にも喜んでもらえますよ。年の始めから着物でお出かけできたら、この後もいいことが続きそうじゃありません?
筆者プロフィール
着物好きが高じて、DTPデザイナーから着付講師へ転身。年間約8割を着物で過ごしている。2004年より、東京都内にて生徒とのコミュニケーションを大切にした、少人数制の着付教室は現在も進化中。