現代のキモノ女子へ向けて、わかりやすく着物を解説する着付講師のブログ

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キモノ日和は旅気分

足袋の選び方や洗い方はどうしてる?痛い足袋の対応法やマイサイズ確認法まで

着物を着るとき、一番はじめに身に付けるのは足袋。自分の足にフィットした真っ白な足袋をはくのは心地いいもの。一方、きつい足袋を無理してはいている人も多くて、悩みの種になっているみたい。親指が痛くてがまんできない、足首がきつい、と悩んでいる人は多いです。

痛い靴は選ばないのに、足袋は仕方ないとあきらめている!? 足袋を気持ちよくはくための、足袋の種類や選び方、洗濯方法を解説します。

足袋の種類「生地の違い」

足袋の生地で一般的なのは、綿のキャラコとブロード、化学繊維のポリエステルでしょう。その違いを解説します。用途、好み、値段によって使い分けます。

右:キャラコ  左:ブロード

キャラコ

上等な足袋生地。吸水性にすぐれ、織り目が細かいので足に添いやすく、しわができにくい。色も、自然な白色。お出かけ会、礼装、長時間着用時に、このキャラコを履いています。

ブロード

ふだん履きは、ブロード。色がやや青みがかった白であるとか、生地が硬め、などありますが、普段履きは消耗品でもあるため、コスパの良さから、ブロードを愛用。

ポリエステル

吸水性はありませんが、伸縮性があるため初心者の方は、履きやすいという方が多いようです。また、中指が長い、甲高、外反母趾の方も楽にはけます。底面が滑りやすいものもあるので、お出かけ前は、履き物との相性をチェックしましょう。

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コハゼの数

コハゼとは、足袋についている金具のこと。着用時は下から順番にコハゼを糸にかけます。

足袋には、4枚コハゼと5枚コハゼがあります。5枚コハゼは、コハゼ一枚分が長くなります(約1,5㎝)。わたしは、歩くときに足首が見えにくくなるよう、お茶室用、礼装用として5枚コハゼを着用しています。普段は、4枚コハゼです。

4枚コハゼの足袋

 

5枚コハゼの足袋

サイズは一緒でもメーカーごとに違う型

わたしが日常ではいている足袋は、綿100%のブロード4枚コハゼ標準タイプです。綿の足袋にこだわっているのは、通気性の良さ、静電気(着物を傷める)が起きにくい、洗ったときのしゃっきり感が好き。という理由から。好みがあらわれるところです。

綿の足袋は伸縮性はないため、自分の足の形に近いものを選びたい。下の足袋は、全て24,5㎝の足袋。足底の型がメーカーにより異なるので、比較してみました。

「痛くない」「不自然なしわが寄らない」自分の足型に合った足袋に出会えたら、そのメーカーをたいじにしてくださいね。オーダーでない限りジャストフィットは叶いませんが、より近いものを選びたいですね。

右から、セミオーダーキュプラ(5000円くらい)、中央が細型キュプラ(3000円くらい)、左は標準サイズのブロード(1000円くらい)です。いずれも一年以上着用、何度も洗濯したもの。もちろん、右が一番フィットします。そして、長くはいてみてわかったのは、縮み方も、それぞれ違うということでした。

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初めての足袋選び~自分の足の特徴を知る

もし、「標準的な足型です」という方は、ここは飛ばして読んで下さい。わたしのように、標準ではない方へ向けた記事です。

足の形は千差万別。足の中指が親指より長い、甲高、外反母趾や幅広の方。ほんとうにたくさんのタイプがあります。

足の長さ、幅を測るため、簡単な型紙を作成します。

紙の上に乗って、芯のやわらかい鉛筆で、何度も足まわりをなぞってみます。

線が重なり、太い実線になります。

この型紙を使って、長さを測ります。足の実サイズ(爪からかかと)に3mm~5mmプラスしたサイズが足袋サイズ。

足幅(一番太いところ)、足首周りもメジャーを巻き付けて測れば、それに応じた足型表のあるメーカーもあります。(その場合は、測定方法がありますので説明通りに従ってください。)

わたしの場合、人差し指が長いので、いつもこの指の先端が痛くなりました。やや外反母趾なのに、くるぶしまわりの細さがバランス悪く、しわも寄っていたのですが、これにより、礼装用は、細型で7ミリ大きい足袋を選ぶようになりました。

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足袋の選び方~足袋売場で見立ててもらう

迷う場合は、足袋売場へ。たくさんのメーカーと種類を扱ってますので、一番フィットするものを見立ててくれるはず。ストレッチ足袋も豊富にそろっていて、ほとんど綿と変わらない使用感のものもあるそうですから、アドバイスをもらってください。

デパートの足袋売場には、ネットで買うよりも少々高額なラインナップ。それでも初心者は、「自分の足型に合っている足袋はどういうものか」を知るためには、決して高くないと思います。

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足袋の洗い方

一度はいたら、すぐに洗濯します。こまめにお手入れすることが、きれいを保つコツです。

足袋洗濯に欠かせない、ウタマロ石鹸に、重曹、くつブラシと洗濯糊、といつもの液体洗剤。

重曹、液体洗剤を溶かした洗剤につけて、一晩おきます。

ウタマロ石鹸で汚れているところを部分洗いします。

指の付け根部分と、

かかとが汚れやすいので念入りに。ネットに入れて洗濯機で洗います。

仕上げに洗濯糊を使うと、汚れが落ちやすくなります。

軽く絞って干します。生地を横→縦の順にひっぱってシワを伸ばし、コハゼのついていないところを洗濯バサミでつまんで干します。

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親指と人差し指の付け根が痛いときは?

  • 足袋のサイズが小さい
  • 縮んでしまい、現在の足に合っていない
  • サイズはあっているが、幅が狭い
  • むくみやすい
  • 以上、当てはまるかどうか、確認してみてください。足袋の幅は、コハゼに書いてあります。画像の足袋は「細型」幅の広い足型の方には、きゅうくつです。また、むくみやすい方は、朝はよくとも夕方には足の痛くなる方がいます。大きいサイズの替足袋を持参するか、ストレッチの足袋で対応してください。

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    絆創膏やテーピングで痛みを軽減する

    足袋をはく前に、親指と人差し指の間に絆創膏を貼ります。テーピングでも効果的です。痛い場所に何重にも重ねてください。その後、自分の足に合った、きつすぎない足袋をはくこと。

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    足首がきつくて痛い時は?

    コハゼを止める糸が二本あります。ゆるめるには外側にコハゼをかけます。それでもきついときは、一番上は、とめなくてもいいです。

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    滑って歩きにくいのですが?

    履物の台と、足袋の組み合わせのせいでしょう。他の履物なら滑らないということもあります。まずは、足袋の素材をチェックしてください。ストレッチタイプまたは、ソックスタイプの足袋ではありませんか?ポリエステルは滑りやすいので、綿素材に変えましょう。または、足袋裏に滑り止めのついたものもあります。子供用みたいで…筆者は履いたことはないですが…どうしても、という方に。

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    サイズはあっているのに親指と人差し指の間が痛い

    皮膚の柔らかい方、足袋に慣れていない方は、縫い目の固い部分があたって、痛くなることがあります。ばんそうこうを貼ってください。

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    なるほど雑学☆白足袋主流はいつの時代から?

    昔のドラマなどを見ていると、年配でも刺繍半襟に色足袋という取り合わせを目にします。現代では、正統派が白衿、白足袋。若いひとたちや、アンティーク着物派は、刺繍半衿や色足袋。というふうになっていますが、白衿、白足袋が定番。この流れはいつの時代からなのでしょう。

    戦後の高度成長期にのって、きものブームが訪れると、半えりはもっぱら白になる。(中略)70年代に入ると、すっかり白が半えりの定番に。これに合わせて、足袋も「きっちり、真っ白」が主流になる。(中略)清潔なアクセントが律する装いは、徐々に画一化され、恒久化へと向かっていく。戦後のきものの一番の特徴は、実は、この白半えり、白足袋なのではないかと思うのだ。

    「主婦の友」90年の知恵 きものの花咲くころより

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    足袋博物館へ見学にいってきました

    向かった先は、埼玉県行田市「足袋とくらしの博物館」

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    ミシン縫いのあと、くるくると裏返し、次第に足袋の形に。

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    展示品もおもしろく…

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    コハゼを縫い付ける様子は、神業です。

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    あっという間に立体に仕上がっていきますが、手作業の多いことに驚きです。完全に機械化はできないのですね。ひとつひとつ丁寧に作ってもらっているんだな、と思うと、わたしの足袋もたいせつにせねば、と思うのでした。

    「足袋とくらしの博物館」
    開館日…土、日  午前10時〜午後3時
    〒361-0073 埼玉県行田市行田1-2
    http://www.tabigura.net/tabihaku.html

    「やっぱり、〇〇は〇〇屋が最高よね。」などの話は、着物愛好者は好きなものですが、こと足袋となると、事情は違います。万人に合う足袋というのは、ないからです。

    足袋は、洗濯で多少縮むもの。でも、履いているうちに自分の足に合わせて少しずつ伸びてくれます。包まれる感じが心地よく、アイロンいらずで、見た目もきれいなのが、「足に合っている足袋」です。

    よく着物を着ている人でも、足袋の悩みは多く、筆者自身も、足の指が長く外反母趾のせいで、かなりのメーカーを試しました。そこまでしなくとも…という方は、ストレッチ足袋がおすすめです。足袋のシワ、指の痛みはずっと軽くなるでしょう。お悩みのある方は、専門店や百貨店の足袋売り場で、プロに見てもらうことをおすすめします。一番してほしくないことは、「痛い足袋を履き続けること。」です。着物生活が少しでも心地よくなりますように。

    筆者プロフィール

    着物好きが高じて、DTPデザイナーから着付講師へ転身。年間約8割を着物で過ごしている。2004年より、東京都内にて生徒とのコミュニケーションを大切にした、少人数制の着付教室は現在も進化中。

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