20Sep
着物を持ち運ぶときに、両手いっぱいに荷物を運んでいる人をみかけますが、効率よくパッキングすれば、容量は半分くらいになります。
着付教室に通うことが決まった方、美容室などで袴や振袖の着付けをしてもらう予定の人、旅行先に着物を持っていく人は、ぜひ参考にしてください。
目次
振袖、着物、浴衣の持ち運びの基本
すべて重ねて風呂敷でぎゅっと!
このたたみ方が一番省スペースで、着物にしわが寄りません。たとう紙(着物を入れている和紙の袋)から出す事が基本です。
下着類、紐類は、それぞれ取り出しやすいように、旅行用ポーチに収納。
袴の持ち運び方
卒業式で袴を着つけてもらう時、袴はどのように持ち運べばいいのでしょうか?
袴の「プリーツ=ひだ」が広がらないよう、袴の場合は袋のまま(ビニール袋入りの場合)持ち運んでください。
ビニール袋のない場合は、袴を三つ折りにして、風呂敷に包みます。
そして、他の着物、帯、小物類と重ねて、バックに入れます。
着物や小物類は、たとう紙や袋から出して、風呂敷包み。ぎゅっとまとめてコンパクトにしてから、バックにいれる。という方法は他の着物の持ち運びと一緒です。
着付け教室や旅行へのきもの持ち運びには?
- たとう紙から、着物、長襦袢、帯は出して、風呂敷包み。
- 着物バックか、キャリーケースなどに一つにまとめて持ち運びます。
着付けのお教室に通う時(1)
きもの専用バックには、ポケットがたくさんついていたり細かな仕切りがあります。和装小物を収納するのに便利。
着付けのお教室に通う時(2)
荷物が重いときは、キャスター付きのキャリーケースに入れて持ち運ぶのが楽。
旅行先に着物を持っていくとき
しわにならないよう風呂敷包みにしたら、キャリーケースに入れます。振袖、訪問着、留袖一式でも、キャリーケースひとつに収まります。
上の写真のキャリーケースのサイズは、一番小さいタイプ。(56cm×36cm×23cm)このバック片面に、コート、防寒の小物も全て入ります。
着付けをしてもらう時の持ち運び注意点
美容室などで着付けをしてもらう時(自分で荷物を持ち運ぶとき)
外で着付けをしてもらう場合は、自分が着物を着た後のことを一番に考えます。着物を入れたたとう紙、靴、脱いだ洋服を、着物で持ち歩けますか?どのくらい電車に乗りますか?
冬で厚着をしていたり、振袖などの着付けで荷物が多いようなら収納力あるキャリーケースが楽です。
着物一式がそんなに重くない場合は、紙袋でもいいでしょう。着付け後に処分してもらえ、荷物が軽くなります。
- たとう紙から、着物、長襦袢、帯は出して、風呂敷包み。
- 紐などの小物類は、ビニールから出して、ゴミは自宅で処分。
雨の心配があるときは、ビニールでくるんでから紙袋に入れてください。
着付けをしてもらった後に荷物を預ける場所も確認しておきます。(例 着付けの美容室、ホテルのクローク、駅のコインロッカー、宅急便で返送など)
美容室などで着付けをしてもらう時(家族に送迎してもらえる場合)
荷物の軽量化はそれほど気にしなくてもよいですが、着付け師さんが、着付けをしやすいように、紐などの小物類は、ビニールから出して、ゴミは自宅で処分していきたいですね。
箱に一式入れている場合、大判の風呂敷で持ち運ぶ方法もあります。
風呂敷の端を結んで袋状にします。
レンタル着物を直送してもらった時の意外な盲点
レンタル着物をネットで手配して、着付け先(美容室など)へ直送してもらうときのこと。
着物や小物が丁寧に梱包されて、梱包材ごと大きな荷物で到着します。バックの形状になっているものの、かなり大きくコインロッカーにも入りません。結局家族に車できてもらって、持ち帰ってもらった。という筆者のお客様がいました。
直送の場合は、ケースの外形寸法を確認すること。「着た後のことは、全然考えてなかった!」という、着付け初心者のお客様によくあるパターンです。
梱包材などで、パンパンにつまっています。着付け後は、邪魔になるもの多数…
着物専用バック
布製のソフトケース。洋服用としても使用可能。
着物用ハードケース。振袖一式入る大容量
いかにも、というデザインでないところが、◎
帯のたとう紙がそのまま入るタイプ。ビニールなので、多少雨に濡れても心配なし
バック自体に重量あり。縦置きできるタイプ。側面のデザインがかわいい。
着物の持ち運び(1)衿芯はケースへ収納
着物の持ち運び(2)下着や足袋の袋は処分
荷物を減らすために、必要なものだけ持参します。新品の下着や足袋は袋から出しておきましょう。
着物の持ち運び(3)草履は箱から出す
箱に入っているものは、全て出しましょう。帯締めセットの箱や、バックの箱、伊達衿、ショールの箱なども必要ありません。
着物の持ち運び(4)旅先には衣装敷を持参
ここからは主に、旅先へ着物を持っていく方へのTIPSです。
ホテルの客室などで着付けをする時は、衣装敷(いしょうじき)があると便利です。衣装敷とは、着付けの時に床に敷いて、着物をよごさないように使うもの。和紙でてきています。
着物の持ち運び(5)旅先で便利な羽織
着物の上に着るコートや羽織。防寒として必要な季節の他に、汚れ防止として旅先ではとても重宝します。生地の薄い、このようなレースの羽織は軽くて便利。
着物の持ち運び(6)旅の履物は下駄が楽!
旅行先へ着物を持っていく場合、フォーマルでなければ、下駄はおすすめです。軽くて歩きやすく、多少の雨も下駄なら安心。
着物の持ち運び(7)旅の荷物の軽量化には半幅帯
名古屋帯から半幅帯に変更すると、荷物は1,3Kgから300gへ!帯枕、帯揚げ、帯締めが省略できますし、しっかりした帯なら帯板も必要なし。
紬や小紋などの、カジュアル着物なら、半幅帯や細帯にすることでかなりの荷物軽量化できます。
着物は、たためばフラットになり、前述の通りコンパクトに収納できます。大荷物で着物を持ち運んでいる人は、着付けの前も着付けの後も、両手いっぱいで、とってもたいへんそう…特に、たとう紙に入れて着物を持ち運んでいると、中で着物がしわしわになっていたりすることが多いです。
荷物がたくさんの人は、整理ができていないので、箱から出したり、仕付け糸をはずしたりと、着付けの時間に5分~10分くらい差がでて、着付け師さん泣かせなのですよ~。
準備をスマートにすれは、当日もすっきり。ぜひ、無駄のない持ち運び方法で、着物を楽しんで下さいね。
筆者プロフィール
着物好きが高じて、DTPデザイナーから着付講師へ転身。年間約8割を着物で過ごしている。2004年より、東京都内にて生徒とのコミュニケーションを大切にした、少人数制の着付教室は現在も進化中。