29Aug
キンモクセイが香るころから着物コーディネートは、一気に秋っぽくなりますが、実は8月末くらいから、少しずつ秋を感じさせるコーディネートへシフトしています。
単衣(ひとえ)、袷(あわせ)などの基本的な決まり事はもちろんですが、秋を感じさせるコーディネートは、1に色、2に模様、3に素材の温かみの順で、印象を左右。季節感ある装いは色や柄からチェンジするのがコツ。それでは、秋のコーディネートをご紹介します。
目次
秋コーディネートの基本~色
無彩色に秋色プラスワンは、シンプルで簡単コーディネート。色は自然界を参考にします。秋の花、葉の色、実りの色。秋色カラーを足すだけで秋らしい装いに。こっくりとした深い色が秋の気分です。
イエロー・マスタード・ゴールド
秋コーディネートのサンプル(20パターン)
虫の音を耳にしたり、夜風を感じて、そろそろ秋の服を…と思ったら、着物だって同じこと。
秋が短くなった。と言われて久しいですが、着物の感性は季節に同化しやすく、色や柄に季節感があります。着物好きは、たっぷり秋を楽しむことができるんですね!
それでは、残暑から11月末までのコーディネートサンプルです。
8月 お盆のころ この夏はじめて茶色を投入
8月中旬 夏の塩沢紬に、夏帯。透けたきものに、色だけ秋色。
8月下旬 小千谷縮に秋色の夏帯
9月のはじめ 小千谷縮に冬物八寸帯。透けない小千谷は9月も活躍
9月はじめ 縦絽に縞は透け感がわかりにくい。すごく暑い9月には便利な着物。
これも透け感の目立たない絽の小紋。さらっとしています
9月のはじめ また暑さが戻り30度超す日。涼しい小千谷縮に博多を結んできりりと。
9月中旬 モスグリーンの八寸は秋色の緑。ターコイズは秋の青。
9月下旬 金木犀が香りはじめ…オレンジを投入
9月下旬 やっと単衣の紬の出番。後染の紬と八寸名古屋帯。着物は落ち葉の模様
朝晩の空気冷たくなり、ほっこり感のある真綿の結城。
夜帰宅が遅くなる日は、レースの羽織が便利。
10月のはじめに袷を着る。でもまだ暑い…秋色と涼しい色のミックス
10月中旬~下旬 紅花紬と更紗の八寸帯。暖色でまとめたくなるのはこの頃から
10月下旬 小紋に九寸帯。帯が主役のコーディネート。ボルドーの帯締めは万能
11月のはじめ 重いちりめんも、違和感なく着こなせる季節。
11月中旬 秋本番 紬に染帯。明るい秋の陽に、マスタードはぴったり
11月下旬 江戸小紋におしゃれ袋帯。色はシックですが光沢を際立たせました
12月はじめ 冬ですね…クリスマスを意識したコーデ
秋コーディネートの模様
小紋染めのもみじ、刺繍のもみじ。中央の半襟は「実りの秋」
秋コーディネートのかたち~帯留やちりめん小物
おしゃれ用の帯締。木製、陶器、金属、ガラスと多様です
柄や色を重ねるのは、着物コーディネートの得意分野。ほとんどの人のワードローブには、秋色が入っているから、秋のコーディネートは初心者さん向きなんです。秋に着物を着ないなんて、もったいない!ぜひ、たくさんお出かけしてくださいね。
筆者プロフィール
着物好きが高じて、DTPデザイナーから着付講師へ転身。年間約8割を着物で過ごしている。2004年より、東京都内にて生徒とのコミュニケーションを大切にした、少人数制の着付教室は現在も進化中。