初釜にお呼ばれ。どんな着物を着て行けばいい?着物の種類から、初釜の立居振舞と着崩れない着付け。押さえておきたいマナーまで。

menu

キモノ日和は旅気分

初釜にお呼ばれ。どんな着物を着て行けばいい?着物の種類から、初釜の立居振舞と着崩れない着付け。押さえておきたいマナーまで。

「お茶会があるのですが何を着て行けばいいんでしょうか?」とよく聞かれます。今回は、「初釜の着物」と「初釜の一日の動き」を紹介。その後、「着崩れしにくい着付けについて」考えてみたいと思います。

初釜とは?

初釜は一年のはじめのお祝いのお茶会。1月10日前後に行われます。社中の方々が一堂に集まり、懐石料理~お濃茶~お薄茶という流れで、半日から一日ほど長い時間をかけて過ごします。先生がお弟子さんのために、たいへんな労力をかけてお支度くださるお茶会ですから、先生のお気持ちに応えられるよう、きちんとした装いで礼を尽くしたいものです。

初釜の着物

茶会では、色留袖、訪問着、付け下げ、色無地、江戸小紋、小紋を着ますが、必ず紋を付ける色留袖以外は、家紋があるかないかで着物の格が変わります。気張らない茶会から正式な茶会まで、茶会にも格があるので装いもそれに合わせます。

初釜は正式な茶会ですので、小紋ではなく準礼装以上となります。「紋付き」や「絵羽模様」の着物に格調高い柄の袋帯という装いが多いようです。

外を歩くときは、道行コートや着物衿コートなど、礼装にふさわしいコートを着ます。防寒としてだけでなく、塵除けとしても、礼装の時はコートを着るのがマナーです。お茶室に入る前には袖たたみをして、風呂敷に包みます。

訪問着

江戸小紋

袋帯は古典調の礼装用

お袖からのぞく長襦袢は薄い色が上品

お茶室は目線が低いので、袂(たもと=そで)がとても目立ちます。着物と長じゅばんの袖丈があっているかを、事前にチェックしておきましょう。長襦袢は淡い色が上品。

足袋と衿は真っ白なものを

茶席の半衿と足袋は白に限ります。お茶席の時はきれいに足袋をはきたいので、自分の足にフィットする足袋を心がけていてます。

お草履も礼装用を

茶会で愛用している草履。台も鼻緒も白なので足元だけ目立つということがありませんし、どんな茶会や着物でも合わせやすく重宝しています。

家紋の種類

色無地や江戸小紋を着る場合は、一つ紋の着物が良いと思います。

縫い紋

染め抜き紋

加賀紋

初釜の一日

初釜とは、どんなことをするのでしょうか?私の経験した「初釜の様子」をレポートします。一日の動きを知り、次章、「着崩れしない初釜の着付け」を考えてみましょう。

≪初釜の一日≫

朝十時に先生のお宅へ。足袋を履きかえ、茶室に入れない持ち物を(コート、バック、お菓子を入れてきた紙袋など)風呂敷包みにしてまとめます。その後は先生のお手伝いをする人、着付けを直し合う人、忙しい時間です。

11時ころ。つくばいで手を清めた後、いよいよ茶室へお席入り。床の間から拝見します。全員が揃ったところで、全員で先生とご挨拶をします。

先生が炭を直します。

座布団をいただきます。これにも作法があります。着物の上前が開かないように気を付けます。

お料理をのせたお盆をひとりひとり受け取り、全員いき渡ったところで、お食事がはじまります。

懐石で一献。次々にお料理が運ばれます。お酒もすすめてくださいます。終始なごやかな時間です。

食事が終わり、濃茶のはじまるのが2時半くらい。お菓子をいただきます。

お濃茶を皆でいただきます。

初釜のお茶碗は特別です。この時にしか使わない豪華なもの。

この後は、お楽しみのくじ引きがあったり、お薄手前があったり…先生のお宅を失礼するのは5時過ぎとなり、初釜の楽しい一日が終わりました。

座布団の扱い方

二つ折りの座布団を受け取り、お礼をします。

畳のへり内に、座布団を入れます。

「輪」(正面)を向こう側にして、座布団を開きます。

膝を浮かして、座布団を滑り込ませます。

着くずれしない初釜の着付け

このように、長時間の正座。また、正座から立ちあがり、また座る。という動作が多いため、着物の裾が崩れやすいです。6時間の正座に耐え、朝と変わらない着姿を目指し、以下のことに気を付けて着付けをしています。

衿元:胸元にいれた懐紙を頻繁に出し入れするので、ぐずぐずになりやすい。着付けの時はしわを残さずに紐の下へ引いておく。

帯:(胸元から懐紙などを出し入れするため)気持ち低めがよい。胃の上を圧迫しないように帯の上側は締めない、下側の輪を締めて、身体に添わせる。

上前:立居振舞がしやすいように少し広めにとっておく。(仕立ての時に前身頃を広めにとっている方も多い。)褄を5㎝ほど上げる。

下前:長時間の正座でかなり裾広がりになる。特に、胴回りの大きい方は、身幅の狭い着物に注意(なるべく寸法の合っている着物を。)15㎝から20㎝褄を上げて、いつもよりも裾つぼまりは大きく。

腰ひも:裾が崩れにくいように、腰ひもはしっかり結ぶ。腰ひもの下には、補正タオルを入れて、紐がタオルに食い込んでいる状態を作ると、紐が上下にずれることもなく安定する。

衣紋は抜きすぎず、清潔感を。帯は二重太鼓です。振りが揃うように、袖付けを合わせておくこと。

初釜のNG着物マナー

時計、帯留、指輪やブレスレットなどのアクセサリーは身に付けません。硬い金属類ははずし、お道具をたいせつに扱うのがマナーです。

色衿、柄衿、柄足袋。これは、礼装着物マナーとしてもNGですよね。派手なネイルもふさわしくありません。

伊達衿や刺繍の衿も茶席では使いません。

お香をたく茶室では、香水をつけないのもマナーです。ヘアスタイルに関しては、毛先を出して華やかにしたりせず、ヘアはシンプルにまとめます。華美になることを避ける場なので、髪飾り、飾りのついたピンなども使わないようにしましょう。お茶碗に口紅がつくのもNGです。

初釜に携行したい物

茶会に持参するのは、替え足袋、残菜入れ、風呂敷、ふくさ、扇子、懐紙1帖以上(たくさん使います。)、食器を拭いた懐紙を入れるためのビニールなど。これらを「数寄屋袋」に入れて、お茶室へ持ち込みます。ご祝儀も持参しますが、表書や金額については、お教室によって決まっていると思います。社中の先輩にあらかじめ伺って、当日あわてないようにしたいですね。

茶席の着物。いかがでしたか?同じ流派でも地域や先生が違うだけで違いがありますから、迷ったら教えを受けている先生、または先輩に直接お伺いしてください。

お茶を習っていないけど興味をもって読んで下さった方がいたら、ありがとうございます!お茶席はそんなにこわいところではありませんよ!「はじめてなので、教えてください」といえば、まわりの人たちが親切に教えてくれます。気楽なお茶会なら、誰でも参加できます。お友達にお茶をされている方がいたら、「お茶券」を分けていただいてもいいですし、どこの地域でも、区や市の施設、または、大きな公園などで頻繁にお茶会をやっています。ぜひ、ネットなどで調べてみてください。気軽な茶席の後に興味をもたれたら、今年はぜひ、お稽古をはじめてみてはいかがでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事