14Feb
例えば友達とランチに行くとき。こんなときも、着物スタイル。現代ならではの着物の楽しみ方です。着物でお出かけする行先は、結婚式やお茶会、フォーマル&和風な場所ばかりではありません。今日は、お洒落なカフェになじむ大人カジュアル着物がテーマ。
目次
気軽なお出かけには、どんな着物?
ナチュラルな質感&つや消しがカジュアル着物でのカフェランチにぴったり。この日の着物は、ぜんまい織の紬。植物の繊維、ぜんまいが織り込まれていて自然な風合いがあります。色味は草木染。ピンク系だけど肌馴染みがよく、すぎる強さがありません。やや光沢はあるものの、全体的にはマットなつや消し。着物まわりは、ほとんどが天然の素材でできていますので、ナチュラルテイストが作りやすいのです。
模様はすっきりした幾何学系
現代のセンスでつくられた博多織の帯。すっきりとした柄は場になじみながらも、個性を引き立たせています。小さい模様の方が目立ちすぎずにまとまります。
帯は半幅帯を自由に結ぶ
定型のお太鼓結びではなくて、あえて半幅帯を選択。帯でカタチと曲線の楽しさを。 帯上げはシルクのスカーフを代用。ちょうどいいツヤ消しの草木染です。
カジュアル着物に合わせるバック
こんな時は、普段使いのバックを上手に使います。ウールのトートバックです。 あけびのつるのバックは、かなり使い込んでいる年代物。丈夫なのにしなやかで、お気に入りの逸品です。「かごバック愛好者は通年愛用する。」ということを聞いて最近は真似しています。冬はインバックと組み合わせています。もちろん夏は、このままで。
足元は下駄
塗下駄でなくて、木目のわかるような下駄。これは、ねずこといいます。鼻緒の更紗模様は、和にも洋にも合う不思議な柄です。
カジュアルコーディネートのTPO
着物TPOはドレスコード(フォーマルなのか、カジュアルなのか。)のことばかり取り上げられますが、同じくらいにたいせつなことが、その場のテイストに合わせる。という、「感覚」です。カジュアルコーディネートはルールがないので、とたんに垢抜けないコーディネートになってしまう方が多いのですが、その場に合わせる感覚は、洋服の時とおなじ。 カジュアル着物というと、アンティーク着物的に、コントラストの強い和の色のコンビネーションや柄 on 柄で埋め尽くされたようなのがありますが、お洒落な場所で浮かない、力の抜けた着物コーディネートというのも、なかなかいいものです。 決まりきったルールから、少しそれても問題ないカジュアルスタイルは、自由度がアップして、その人らしさの出せる着物。だからこそ、センスも磨いていきたいですね。 友人とランチしたのは、京王線にある「手紙舎 2nd Story」。テーブルの配置がゆったりとして着物で動くときに、気を使うことがありませんでした。わたしの着物テーマは、「ナチュラル大人カジュアル」でしたが、友人はさりげなく「色で遊び」。反対色を挿し色にしてちょっと個性的!いつもほんわかした人なので、意外性ある着こなしが◎。カジュアル着物の楽しみは尽きません。
筆者プロフィール
着物好きが高じて、DTPデザイナーから着付講師へ転身。年間約8割を着物で過ごしている。2004年より、東京都内にて生徒とのコミュニケーションを大切にした、少人数制の着付教室は現在も進化中。