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キモノ日和は旅気分

老け色にさよなら。自分に似合う着物パーソナルカラー

※この記事は2021年11月12日に更新されました。

あとから写真で見てショック!老けて見える自分の着物姿に愕然!ってことありませんか?

これ、ほとんどが「色選びの失敗」です。
ということは、自分のパーソナルカラーを知り、色選びを間違えなけば、着物姿を底上げできるということです。

一日でも早く着こなしに上手になるために、「自分に似合う色を知る」ことは、必須の知識ですよ。

この記事では、パーソナルカラーとは?ブルベ、イエベに似合うきもの色とは?に加え、「和の色で表現するパーソナルカラー」「おしゃれに見える白半衿」の情報も追加してご紹介します。

自分のパーソナルカラーがわかっている人は、「7.イエベ春の着物色」以降からお読みくださいね。

着物パーソナルカラーを知るメリット

似合う着物から受ける印象

  • センスよさそう
  • 周囲に溶け込んでいる
  • 落ち着きや余裕
  • 着慣れ感

似合わない着物から受ける印象

  • 実年齢より上に見られる
  • 仲居さんみたい
  • 太って見える
  • 無理してるように見える

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着物パーソナルカラーについての考え方

一般的なパーソナルカラーと着物パーソナルカラーに違いはあるでしょうか?これは筆者の経験に基づく独自の考え方ですが、以下のようなものがあると思います。

  • 着物パーソナルカラーの基本は「着物色」。着物の面積は全体の8割と圧倒的であるためにごまかしがきかない
  • 重ねるアイテムが多いため、コーデの工夫はしやすい(半衿、羽織にも気を配れば、色の集中を分散できる)
  • 着物の生地は光沢の強いものがあり、生地の違いで発色の差が大きくでる

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着物でカラー診断が必要な最近の事情

ここ10年ほど、「大人世代」の「着物初心者さん」が増えてきました。

筆者は個人の着付け教室を運営していますが、大人世代が圧倒的に多いです。うれしいことです!

一方、「アドバイスを求められる人が周りにいない」ために、「手っ取り早く着物をネットで購入」されるのですが、いつまでたっても自分の着姿に自信が持てない。という特徴も。

これには、理由があります。

自分に似合う着物や色がわかっていないことが多いです。

若い時から、家族や着物のプロに見立ててもらいながら少しずつ体験を積んでいった人たちとは、あきらかな違いが、そこにあります。

着物もファッションですから、好きなものを自由な感性で着てOKです。ですが、結論から言うと、着こなし上手への最短の方法は、似合う色を知り、そこから好きなものを選んでいく手法です。

特に、似合う色の範囲がどんどん狭くなっていく大人世代には、特におすすめしたい方法論なのです。

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パーソナルカラー:イエローベース? ブルーベース

肌の色や目の色など、自分の色素から、大きくふたつのタイプに分けられます。イエローベースYellowBaseブルーベースBlueBaseです。パーソナルカラーはその人の色素に調和する色のことです。

以前は、一部の人しかパーソナルカラーを知りませんでしたが、現在は、女性誌で記事になるほど浸透しています。自分はイエローベースかブルーベースかを知っている人は、若い世代を中心に50パーセントに上っていると言われるほど。

パーソナルカラーの発祥は、アメリカです。当地ではイエローベースをウォームタイプ(温かみを感じるやさしい色合い)。ブルーベースをクールタイプ(すっきりをしたクールな色合い)と呼んでいるそうです。

自分がイエローベース(以下イエベ)かブルーベース(以下ブルベ)かわかっていれば、大きな間違いはありません

イエベの特徴

温かみを感じるやさしい色合い。ベージュピンク、イエロー、オリーブグリーン、オレンジ、コーラルオレンジなど。

以下は、イエベの方たちの特徴です。いくつ当てはまりますか?

  • 髪の毛がブラウン系、ダークブラン
  • 瞳の色がブラウン系で深みがある
  • フェミニンな印象
  • 肌の色が白い
  • 頬に赤みが少ない
  • 日焼けをするとすぐに吸収するタイプ
  • つやつやした髪質

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ブルベの特徴

青みの強い、グレー、紫、ブルー系。季節に関係なく着用できる色が多いです。

以下は、ブルベの方たちの特徴です。いくつ当てはまりますか?

  • ピンクみを帯びた肌色の方。
  • 髪の毛がソフトブラック系
  • 頬に赤みがある
  • 瞳の色が濃いブラウン、黒の方。
  • 肌の色が白く皮膚が薄い
  • 唇の色が赤い
  • 髪の毛がしっかりしている

以上、当てはまる項目の多い方が、あなたのタイプになります。もうひとつ、目視での確認方法をお伝えします。

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パーソナルカラーをセルフチェック

パーソナルカラーを知るための、もう一つの確認方法です。
以下の画像を、お顔に合わせて、どちらの顔映りがよいかどうかを見てもらいましょう。(自分で見るよりも、人に見てもらった方が的確なことが多いですよ。)

↑珊瑚色の似合う方はイエベです

↑藤色の似合う方はブルベです

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イエベ春、イエベ秋、ブルベ夏、ブルベ冬

イエベかブルベかわかったら、さらにそれぞれを二つに分けて4つのタイプに。

四季になぞらえ、春夏秋冬の名前がつけられていて、イエローベースは、イエローベーススプリング(以下イエベ春)とイエローベースオータム(以下イエベ秋)へ。

ブルーベースは、ブルーベースサマー(以下ブルベ春)とブルーベースウインター(以下ブルベ冬)の2タイプへ分けます。

この診断は、実際に数十色の布をあてて、お顔に対しての「強弱感」などから絞り込んでいくカラー診断が必要です。

このサイトでは、それそれのタイプが似合う色をあげていますので、よく褒められる洋服の色などを参考にしてみてください。繰り返しになりますが、自分がイエローベースブルーベースかがわかっていれば、大きな間違いはありません。

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イエベ春の着物色

イエベ春に似合う色は、ピーチピンク、ライトイエロー、ライトブルー、アクアマリン、コーラルピンク、キャメル、アイボリー↓など。明るい春の花のイメージ。

コーディネートを考える時には、ピーチピンク、キャメル、淡いグリーン系などの落ち着いた色を着物色へ。鮮やかな色、濃い色は小物に持ってくると大人世代になじみます。

フェミニンな魅力にあふれているイエローベースのスプリング。実年齢よりも若くみられる方の多いのが特徴です。

和の色をイエベ春にあてはめると?

花浅葱(はなあさぎ):緑味のある青

萌黄色(もえぎいろ):新緑が萌え出ずるような緑

珊瑚色(さんごいろ):アカサンゴのような明るい赤

白茶(しらちゃ):ごく薄い茶色

菜の花色(なのはないろ):明るく鮮やかな黄色

薄紅色(うすべにいろ):淡い紅色。ローズピンク

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着こなしアドバイス

高彩度同士の組み合わせは、派手に映ることもあるので、TPOに合わせて鮮やかな色の面積を調整してみましょう。

似合う色柄だけでまとめると、子供っぽくなりやすいイエベ春。すっきりさせたい人は、ベージュなどの無彩色をベースに、ストライプ柄などを取り入れてみては?

イエベ春のおすすめ着物色のひとつはグリーン。萌黄色(もえぎいろ)のような明るいグリーンから落ち着いた抹茶色まで。着物カラーとして使い勝手がよく、広い世代で定番カラーです。

黒系の紬など、かっこいい系の着物は地味になりがち。半襟や小物にやさしい色をもってきて、バランスを取りましょう。せっかくきれいな色が似合うのですから、暗い色ばかり着て老け込まないようにしてくださいね!

スプリングの得意な柄は、花柄、格子、水玉。いずれも細かい模様がよいでしょう。

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ブルベ夏の着物

ブルベ夏に似合う色は、ラベンダー、ペパーミント、ローズ、パステルブルー、グレー、オフホワイト↓など。白っぽくパウダリー、ニュアンスのある色が多いですね。

中間色の多いブルベ夏は、どの色をどのアイテムに持ってきても大丈夫。コーディネートを考える時には、そんなに神経質にならなくても平気です。

上品でエレガントな印象を持つブルベ夏。似合う着物を着ているだけで、「上品なクラス感」な雰囲気を作ることができます。

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和の色をブルベ夏にあてはめると?

牡丹色(ぼたんいろ):紫がかった鮮やかな紅色

藤色(ふじいろ):淡い青味の紫色。藤の花の色

若竹色(わかたけいろ)若い竹のような鮮やかなうす緑色

鳩羽鼠(はどばねねず):ハトの羽色に鼠がかった色

縹色(はなだ色):藍色を薄くした色

納戸鼠(なんどねず):青みの強いグレー

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着こなしアドバイス

清楚でやさしく上品な装いが似合うブルベ夏。相性がいいのは、シャーベットカラー群。淡目カラーのワントーンコーディネートでさみしくならないのは、透明感ある清楚さがあるからこそ。

黄色みを含んだ色は顔色をくすませるので、使う時は、お顔から離しましょう。もやもやしたあいまいなカラーに飽きた時は、面積の少めの帯や帯締め、帯揚げにビビットな色を取り入れてみましょう。新しい着こなしが広がります。

ブルベ夏のおすすめ着物色はラベンダーやパステルブルー。暖色系ならグレイッシュなピンク。モノトーン好きならグレーです。

ブルベ夏の得意な柄は、格子、細い縞、ペイズリー、細かいドットです。素材は、紬、麻、紗、木綿をすっきり着こなせます。光沢の強い過ぎるものは避けた方がいいでしょう。

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イエベ秋の着物

イエベ秋に似合う色は、サーモンピンク、トマトレッド、オリーブグリーン、マスタード、マロン、ゴールドイエロー↓など。深みのあるこっくりとした色がエレガントです。

伝統的な和の色はイエベ秋が圧倒的に多く、着物色も豊富な色数から選べます。

和の色をイエベ秋にあてはめると?

柿色(かきいろ):柿の実の色

鳶色(とびいろ):赤みの強い茶色。

鶸色(ひわいろ):あざやかな黄緑。鶸の羽の色にちなむ

山吹色(やまぶきいろ):山吹の花のような鮮やかな黄色

花浅葱色(あさぎいろ):強く緑がかった青

桃色(ももいろ):桃の花に似たやわらかいピンク

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着こなしアドバイス

肌色をトーンアップする温かみのある色が似合います。やわらかい柄や素材を選ぶと、イエベ秋の女らしさを引き立てます。

大人世代におすすめの着物色は、モスグリーンや茶系。色自体が地味なのに、イエベ秋が着ると、強さと落ち着きを兼ね備えた雰囲気にまとまります。薄い色なら、ライトイエローやライトブラウンは季節を気にせず着用できます。

唯一苦手なカラーは、ブルーです。黄色味の強い、ターコイズなどはOKですが、鮮やかな青みブルーは避けたいですね。もし挑戦する場合は、夏きものや、単衣の時に、黄色味の入ったやさしいブルーをおすすめ。さわやかに映えます。

紬などの硬さのある素材、木綿の着物などは、さみしくなりやすいので、色や模様でカバーしましょう。ボリュームある刺繍半襟なども、イエベ秋は負けません。

豪華な装いも、粋なスタイルもお得意です。他のタイプよりも制限なく色を選べるので、似合う色なら思い切ってトライしてみては?

オータムの得意な柄は花柄、曲線、ドット。刺繍や絞りもお似合いです。

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ブルベ冬の着物

ブルベ冬は、マゼンタ、チャコールグレー、サファイヤブルー、ワインレッド、ロイヤルパープル↓など。気品ある凛としたモダンな色がお似合いです。薄い色も濃い色も映りがよいのは、ブルベ冬だけ。

存在感あるブルベ冬。華やかでクリアな色が似合います。モダンな雰囲気を持つ方が多いです。

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和の色をブルベ冬にあてはめると?

桜色(さくらいろ):クリアな淡いピンク。

瑠璃色(瑠璃色):鮮やかな青。ラピスラズリ色

藍墨茶(あいすみちゃ):青みを帯びた墨色

氷色(こおりいろ):淡い水色

白鼠(しろねず):シルバーのような薄いグレー

蘇芳色(すおういろ):紫がかった暗赤色。ラズベリーレッド

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着こなしアドバイス

難しい無地の紬などもスタイリッシュに着こなせるブルベ冬。大胆でインパクトのある柄を着ても、無理なくどんなものも着こなせてしまう個性があります。

大人世代におすすめの着物色は、グレー、アイシーブルー、アイシーピンク。黒や紺の紬を着ても、老け色にならずに良くお似合いになります。

すっきりとしたモダンな装いが得意ですが、強い印象になりすぎることも。そんな時は、ウォームカラーのさじ加減が決め手。あくまでも差し色です。

たとえば、着物はブルベ冬色、小物はイエベ色を合わせてみましょう。面積の少ない帯締めや帯揚げからトライします。色に迷った時は、季節感をテーマに。春は菜の花色、秋は柿色やマスタードなど。ウォームカラーのさじ加減は、プルべ冬のコーデの幅を広げるでしょう。

ウインターの得意な柄は、幾何学、大柄、直線。

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Print写真を見て、自分の老け色を平気で着ていたことに唖然!冒頭は、実は筆者自身の体験です。この時に、着物+パーソナルカラーのたいせつさを知りました。その後、パーソナルカラーの講習を受講。数々の失敗体験を活かし、今では、自分の生徒さまへアドバイスしています。

パーソナルカラーを知っていると、色について自由になれます。黒じゃなくても、細くすっきり見える色があります。自分らしいピンクがあります。そんな風に、色選びの選択肢が増えるのです。

慣れてきたら「理想の自分」や「なりたい自分」を思い出して、小さい成功体験を積んでいきましょう。あなたらしい着こなしに近づくはずです。Print

筆者プロフィール

着物好きが高じて、DTPデザイナーから着付講師へ転身。年間約8割を着物で過ごしている。2004年より、東京都内にて生徒とのコミュニケーションを大切にした、少人数制の着付教室は現在も進化中。

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