【着物の断捨離】必要な着物の残し方と感謝して処分する方法

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【着物の断捨離】必要な着物の残し方と感謝して処分する方法

「いつか着るかも。家族が着るかも。」と、着物をそのままにしている人はたくさんいます。たいせつな数枚を自分の着物として手元に残す方法と、リメイクなどに再利用する処分方法を提案します。

目次

どんな人が着物の断捨離をしてるの?

筆者は、着物コンサルタントとして着物整理をお手伝いしています。お客様の年代幅は広く、30代~70代くらい。

みなさま、ずっと着物を保管してきて(またはそれらを受け継ぎ)、きちんと向き合い、適切に整理したいと思われている方々です。着物整理の後は、自分で着物を楽しんだり、「ママ振り」として、お子様の卒業式、成人式に活用されているお客様もいます。

ご依頼のきっかけは…

  • 家の中を断捨離中。でも和服だけは自分で手を付けられない
  • 家族の着物が多数ある。自分は着ないが差し上げる着物を選別したい
  • 今後着られる着物を数枚残したいが、知識がなくてわからない
  • 基本、すべて処分するつもりだが、最終判断として確認してほしい
  • 親から作ってもらった着物を断捨離したいが、勇気が出ない
  • 若い時の着物。今もまだ着れる?やっぱり痛々しい?
  • 娘が着られそうな着物だけ残し、他は断捨離したい
  • 実家の着物断捨離を一緒に手伝って欲しい
  • 親の着物、祖母の着物、叔母の着物。着てもおかしくないか、見て欲しい
  • ダンスごと実家から運んできた。ひとりで見るのが怖い
  • 生前整理のため、着物整理をしたい

自分の着物の断捨離、親の着物の整理と、悩んでいるのはあなただけではありません。自分でできる断捨離の方法を解説します。

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着物整理の流れ

着物整理のだいたいの手順は、

  • タンスや押し入れから着物を出す
  • たとう紙を開いて着物、帯、コートを確認する
  • 着物を種類別に分類する
  • 残す着物の状態をチェックして、虫干し(湿気を飛ばして着物を乾燥)をする
  • 残す着物はたたんで、新しいたとう紙に入れ替える
  • 必要なものは、クリーニングや寸法直しなど、お手入れに出す
  • 不要な着物の行先を決定する(誰かに譲る、フリマに出す、リメイクする、処分する、など)

所要時間のおおよその目安ですが、筆者は、30枚くらいの着物整理に約3時間かかりますので、慣れてない方はかなり時間が必要だと思います。途中で中断すると、作業が無駄になってしまうので、ゆっくり時間の取れる時に取り組みたいですね。

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手元に残す着物の整理

優先順位の決定1~どんな時に着物を着るか想像する

実際に着物を仕分けをする前に、「どんな時に着物を着たいか」を考えます。お子様の卒入学式出席用の着物を残しておきたいのに、お母さまの黒留袖と紬しかない。という状況ですと、着物整理はすすみません。

着物を複数残したい方はリスト化してみてください。紙に書くことで、頭の中の整理もできます。

他の家族のために(娘や孫)に着物を残したい場合も同様です。

例えば、

  • 子どもの通過儀礼をメインに着物を着たい
  • 親族の結婚式の予定がある
  • ふだん着物をカジュアルに楽しみたい
  • これから茶道などのお稽古事をはじめる予定
  • 同窓会に着物で出席予定 など

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優先順位の決定2~残す着物の枚数を決めておく

家の中を断捨離中の方は、アイテムごとにスペースを限定されている方が多いです。

着物を残す場合、先に、着物を何枚残すのか決めておきましょう。そして、「着るために必要なその他のもの」を確認しておきましょう。

例えば、訪問着一枚残すために、袋帯、長襦袢、コート、着付けに必要な小物、帯揚げ帯締め、和装下着、草履バックが必要です。そのスペースが確保されていますか?

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タンスの引き出しから着物や小物を出す

それでは、断捨離開始です。窓を開け、部屋の通気性をよくした状態でスタート。防虫剤のにおい、汚れ、カビのある場合があるので、風通しを確保し、アレルギーのある方はマスクをしましょう。

タンスの中の着物、小物すべてを出してください。引き出しも出してゴミは掃除機で吸い取り、空拭きをします。窓際に置いて、着物の仕分け中に、引き出しを虫干ししましょう。

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着物を出して、種類別に分ける

たとう紙から着物を出して、着物を種類別に分けます。

予備知識がない方は、着物の基本が載っている書籍を見たり、ネット検索しながら、着物の種類を特定していきます。

筆者が伺うお宅では、浴衣、普段の着物の紬や小紋、フォーマルで着る色無地、付け下げ、訪問着。親族の結婚式で着る黒留袖、喪服など、タンスの中で混在しています。

どこのお宅もそうなので、ゆっくり取り組んでくださいね。

以下、着物の画像を掲載します。

 

着物の種類

黒留袖は、裾にだけ模様が染められている。第一礼装(フォーマル)なので、親族の結婚式などで着用。

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振袖は袖が長いのでわかりやすいと思います。成人式だけでなく、十三参り、卒業式の袴に合わせたり、結婚式列席に着用可。
 

訪問着は裾、肩、袖に模様が入っています。広げると、柄が一枚の絵のようにつながっています。準礼装(セミフォーマル)の着物。未婚、既婚区別なく着られます。

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付け下げも訪問着と同じ種類に分類されます。裾、肩、袖につながった模様がある準礼装(セミフォーマル)の着物。
 

色無地は、模様が染まっていない、一色染めの着物。準礼装(セミフォーマル)または、背中に家紋が入っていなければ、おしゃれ着(カジュアル)としても着用できます。

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江戸小紋は、小さい柄が染められている単色の着物です。準礼装(セミフォーマル)または、背中に家紋が入っていなければ、おしゃれ着(カジュアル)としても着用できます。

 

小紋は柄のたくさんある多色染めの着物。模様の向きがランダムで、訪問着や付け下げのように柄がつながっていません。普段のお出かけに着られるカジュアル着物の代表

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は、機織りで作るカジュアル着物。しっかりした生地、素朴な雰囲気が特徴。ふだんに着物を着たい人にはとても着やすい着物です。

 

丈の短いものは、コートです。11月~3月には防寒としてコートが必要。それ以外の季節でも着ることがあります。

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自分の用途と照らし合わせる

「どんな時に着物を着たいか」リストを見ながら、残す着物を仕分けしていきます。他にも、とても気に入っているものは残しておきましょう。

もし、着物の種類がわからないようなら、写真をとって詳しい人に送り、相談してもいいですね。

古い家族の写真が残っていたら、どんな時に着ていた着物かわかる、たいせつな資料になります。

 

主な用途と着物の種類

  • 子供の結婚式、甥や姪の結婚式→黒留袖
  • 友人の結婚式、子供の通過儀礼、同窓会などの華やかな集まり→訪問着、付け下げ、色無地、江戸小紋
  • 友達とごはん、お茶のお稽古、内々の同窓会、ふだんのお出かけ→色無地(家紋なし)、江戸小紋(家麦紋なし)、小紋、紬
  • 娘や孫の十三参り、卒業式、成人式→振袖

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思い切って断捨離した方がいい場合

「想い入れだけのもの」は残さずに思い切って断捨離。あれば便利かもしれないとか、当時は高価だった。という記憶も妨げになります。

筆者の経験では、着物を着る時は特別な時間。「着たい着物」しか、人は着物を着ません。とりあえずとっておく着物は、再びたんすの肥やしに後戻りになるでしょう。どうしても決められないものは保留にして、整理を進めます。

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残す着物の状態を確認する

仕分け後、残す着物が決まったら、着られる状態かどうかを確認します。着物を広げて、明るい場所、目視で確認します。以下の手順で行ってください。

  • シミを確認します。表地だけでなく、裏地も。
  • 虫食いの確認。光に透かすとわかりやすい。
  • 縫い目のほつれをチェック。
  • 生地の強度を確認。お尻あたりの生地を引っ張って、裂けそうならNG。
  • カビや匂いはありませんか?

シミはクリーニングで落ちる場合もありますが、古すぎるシミはアウトです。虫食い、生地の劣化も、着用不可とあきらめた方がいいでしょう。 他には、全体的に古臭くないかなど、自分の感覚に沿わないものは、潔く判断することも大切です。

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残す着物のサイズを確認する

着物を羽織って腰ひもで結び、丈、幅、裄の長さを確認します。

以前の着物の持ち主(または、以前の自分)と自分の体形(現在の体形)を比べることで検討をつけます。

お直しという方法もありますが、高額になることが多いです。事前に見積金額をもらってくださいね。

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残しておきたい着物を虫干しする

虫干しとは、着物の湿気をとばして、乾燥させること。ハンガーにかけて1~2時間くらい室内で陰干しします。

湿度の低い時期の、晴れた日に行いましょう。梅雨明け、秋晴れの時期、冬の乾燥時期(太平洋側の地域)がおすすめ。

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汚れている着物はクリーニングに出す

着物を扱っているクリーニング店で「丸洗い」に出してください。衿や袖の汚れがあるようなら、別途「しみ抜き」をしてもらいます。

着物のクリーニングは高額なので、事前に丁寧に説明してくれるお店や、見積をくれるお店が安心です。

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着物をきれいにたたむ

最後は着物をたたみます。たたみ方のコツは、着物の角と角をきちんと合わせる。手のひらで空気を抜きながらたたむ。特に衿の部分に注意してたたんでください。

以下は、浴衣、小紋、紬、訪問着、付け下げ、留袖のたたみ方です。

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着物をたとう紙へ入れる

着物、帯、長襦袢はたたんで一枚ずつ「たとう紙」に入れます。「たとう紙」は和紙でできていて、一枚200円くらい。

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着物の収納

たとう紙を収納します。専用家具がなければ、湿度の低い場所に平らに置く。これだけは守ってください。

着物を置く場所は、なるべく押し入れの上段や、クローゼットの上。湿気は下に集まるからです。乾燥剤などを上手に利用してください。引き出しに敷くシート状のものもあります。

タンスへ再収納した後も、着物の虫干しを年に2回ぐらいするのが理想的です。

時間のない時は、扉や引き出しを時々開き、着物に空気を通わせることを忘れずに。

着物のお手入れ方法については、別の記事でも解説しています。

「着物を着た後のお手入れは?振袖帯のはずし方や着物のたたみ方を動画でわかりやすく説明。クリーニング方法も!」

 

その他の着物を仕分けする~感謝して手放す

手元に残さないと決めた着物は、リメイクして再利用、必要な人に差し上げるなど、それぞれにきちんと行き先を考えてあげます。どこにも当てはまらない着物は、作り手の想いを受け取り、感謝して手放しましょう。

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欲しい人に譲る

先ほどの仕分けで、自分にはもう色が派手で着られないな、太っちゃってサイズが合わないな、という着物もあったと思います。

状態の良いもの(シミや裏地の変色がない)は、他の方に着てもらうという方法もあります。洋裁好きの方に差し上げて、リメイクに使ってもらえる可能性もあります。

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リメイクして再利用

家族の思い出が刻まれているような着物や帯なら、洋服やバッグ、小物類にリメイクして、手元に残すという方法はおすすめです。針山、コースターなど、小さいものなら場所もとりません。

筆者が私物をリメイクしてもらったものをいくつかご紹介します。

羽織を帯とバックにリメイク

 

帯を小物入れにリメイク

 

父の帯をスヌードへリメイク

別の記事でも紹介しているので、ご覧ください。

着物をほどいてリサイクル。もう着ない着物を活用した「着物リメイク」実例全18集

 

フリマ、オークション、買い取り業者など

それぞれのキーワードでネット検索してみてください。

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写真をとって処分する

着用して写真撮影。着物だけでも写真をとって手元に残しておきます。

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着物整理・断捨離Q&A

 

桐だんすに入れるべき?

通気性が良く防虫効果も良い桐だんすは理想的ですが、インテリアに合わないからほしくない。高価すぎて買うつもりがない。という方もいるでしょう。

タンスのない方は、上記のような収納ケースを利用してもいいと思います。

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和室がないので、着物を広げられない

リビングでも大丈夫です。着物防汚には、床に「衣装敷」(いしょうじき=下の画像にある敷物)を敷いて着物を広げると安心です。筆者は、常に衣装敷を広げ、そこで着付けをしたり、着物をたたんでいます。

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礼装用の着物と普段用の着物の区別がつきません

礼装用の着物(フォーマルきもの)

礼装用は、留袖、訪問着、付け下げ、色無地、江戸小紋など。礼装用には、袋帯(4m以上の長さ)を合わせます。

おしゃれ着(カジュアルきもの)

普段用は、小紋、江戸小紋、色無地、紬、麻の着物などがあり、名古屋帯や半幅帯を合わせます。

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着物整理に適した時期はありますか?

湿度の低いときがおすすめです。窓を開けて換気しながら、ほこりや匂いが部屋にこもらないようにしたいです。湿度の高い時期にする場合は、エアコンをつけ、調湿してください。

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たとう紙の交換時期は?

茶色っぽいシミがついていたり、しわになったものは、新しいものに交換します。

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帯締めの端がくしゃくしゃなんですけど…

あまりにもくしゃくしゃなものは、蒸気にあてて、伸ばします。その後、房カバーを利用すると保管しながら房が整います。安価な便利グッズ。筆者も使用しています。

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染め替えをすればいいと義母から言われました。それって何?

着物を脱色して、他の色や柄にすることです。派手になったもの、古いデザインのものは、染め替えすることで新品のようになります。専門的な知識が必要です。専門家に相談するのがいいでしょう。染め替えにつきましては、こちらの記事もご参考にどうぞ。

着物リフォームやリメイク~古い着物の活用術「染め直し・寸法直し・仕立替え」の実例集

 

母が「これは高くていいものだから」と、なかなか着物の整理をすすめてくれない

これは、わたしの経験ですが、母と一緒にインターネットオークションにその着物を出品しました。1200円の値段がついたことに、母はショックを受けていましたが、時間をかけて理解していました。その後、母と着物の思い出話をしながら、ゆっくりと着物断捨離をすすめていきました。着物は、所持している人が活かすしか道はないのです。

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いかがでしたか?
たいせつな着物を今後活かしていくためには、「着物整理や着物断捨離」は必要な作業。少数精鋭にして、自分がメンテできる範囲内の着物を絞り込みましょう。タンスの肥やしになったままか、「大切なおしゃれ着」になるかは、持ち主次第。

もし、体力的に自信がない、自分で決められない、判断がつかない、という理由で「やっぱりプロにお任せした方が楽かも。」とお考えの方には、こちらの記事をご参考に。

【着物の整理を依頼したい!】着物コンサルタントの出張着物整理

筆者プロフィール

着物好きが高じて、DTPデザイナーから着付講師へ転身。年間約8割を着物で過ごしている。2004年より、東京都内にて生徒とのコミュニケーションを大切にした、少人数制の着付教室は現在も進化中。これまでに、400名を超える指導実績がある。

プロフィール詳細へ

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